奈良時代に伝えられた学問宗教
法相宗(ほっそうしゅう)は、南都六宗の一つで、ひらいたのは慈恩大師です。
645年、インドで法相宗の「唯識」(ゆいしき)を中国に持ち帰った玄奘(げんじょう)の教えを慈恩大師が引き継ぎます。
それを日本に伝えたのは、遣唐使の一員だった道昭(どうしょう)です。
道昭は唐で、玄奘から法相宗の教えである「唯識」を学びます。
帰国後、元興寺(がんごうじ)で唯識論を説いたのが、日本で初めての法相学の初伝と言われています。
経典は、「成唯識論」(じょうゆいしきろん)です。これは玄奘が訳し解説したもので、万物の存在と現象のあり方を観察し、人の心がそれをどのように認識するのかを論理的に解き明かしています。
法相宗の大本山は、薬師寺と興福寺
薬師寺は、奈良県奈良市西ノ京町の寺院です。
天武天皇ゆかりの寺院。
国宝。
平成10年に世界遺産に登録されました。
本尊は薬師如来。
興福寺は、奈良県奈良市登大路町の寺院です。
藤原鎌足と藤原不比等ゆかりの寺院。
7世紀に創建。
世界遺産であり国宝。
法相宗が隆盛を極めた8~9世紀以来、信仰の中心となりました。
国宝・重要文化財も多数所蔵。
本尊は釈迦如来。
玄奘(三蔵法師)ってどんな人?
602年(古墳時代)~664年(古墳時代)。
唐の高僧。
生まれは中国の洛陽市。
「仏教とは何なのか、仏教の本当の教えとは何なのかを学びたい」と、出国禁止令を破り旅に出ます。
飛行機はない時代なので、歩いて仏教研究しながら唐とインドを陸路で往復しました。
この旅の様子をモデルにしたのが、伝奇小説「西遊記」です。孫悟空・沙悟浄・猪八戒はあまりにも有名。
日本仏教界の大恩人です。
最後まで読んでいただき有難うございます 合掌
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