目次
1月1日~7日 修正会(しゅしょうえ)
1月1日~3日を「三が日」と言い、
7日までを「松の内」と言います。
この期間のことを「正月」と言います。
無事に新年を迎えられたことに感謝するとともに、1年間健やかに過ごせることを本尊に祈ります。
現在は、元旦から3日間~7日行われます。
国家安泰、社会平和、五穀豊穣、災難消除、仏法興隆、各個人の願いを祈祷します。
仏さまに罪を懺悔して、国家安泰を祈る悔過会(けかえ)という仏事に由来しています。
東大寺修正会
2月4日ごろ 節分会(せつぶんえ)
節分は、知っての通り豆をまいて除災招福を願う行事です。
疾病などをもたらす悪い鬼を追い払う行事で、飛鳥時代の文武天皇(もんむてんのう)が宮中で行ったのが始まりです。
節分会 長谷寺(鎌倉)
2月15日 涅槃会(ねはんえ)
お釈迦さまの入滅を偲ぶ日です。
お釈迦さまは、2月15日に亡くなりました。
80歳でした。
悟りをひらかれた人が亡くなられたことを「涅槃」と言います。
涅槃図と呼ばれるものをお寺の本堂に飾り、不滅の教えに合掌します。
涅槃図(長谷川等伯)
涅槃図では、ブッダを中心として、弟子たち、動物、草木も声をあげて泣いています。
ただこれは、ただ単に悲しんでいることを描いているわけではなく、お釈迦さまの教えはすでにわたしたちの心の中に伝えられていることを表しています。
お釈迦さまが生まれたことを祝う
「花まつり」
悟りをひらいたことに感謝する
「成道会」(じょうどうえ)
そしてこの「涅槃会」
この3つを「三仏忌」(さんぶつき)と言います。
3月20日ごろ 春のお彼岸
私たちの煩悩の多いこの世界を「此岸」(しがん)と言います。
そして、その向こうにある理想の世界を「彼岸」(ひがん)と言います。
その間には大きな川があって、向こうの岸に渡るには仏道修行が必要です。
「みんなで彼岸に行きましょう、到(いた)ろう」 これを「到彼岸」(とうひがん)と言い、これを略した言葉が、「彼岸」です。
春と秋の彼岸は、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
この沈む太陽を拝み、西方極楽浄土に思いをよせたのが彼岸のはじまりと言われています。
また、奈良時代、崇道天皇(すどうてんのう)のために諸国の国分寺で「金剛般若経」を7日間読経されたことが由来だとも言われています。
彼岸とは、修行して仏の国へ行くことです。
三色ぼたもち
4月8日 花まつり
お釈迦さまの誕生日です。
「花まつり」と呼ばれるようになったのは明治時代以降で、606年聖徳太子の時代に伝統仏事として行われてきた「降誕会」(ごうたんえ)に由来します。
それが平安時代には宮中で、江戸時代には庶民に広がっていきました。
誕生仏
誕生仏は、生まれるとすぐに7歩あるき、右手で天を、左手で地を指し、
「天上天下、唯我独尊」(てんじょうてんげ、ゆいがどくそん)と宣言したお釈迦さまの姿を型どったものです。
これは「この世で私がもっとも尊い」という意味ではなくて、
「私もあなたもすべての人がかけがえのない尊い “いのち” を等しく持っているのです」という
仏教精神の宣言です。
花まつりは現在、全国の寺院で行われていて、誕生仏に甘茶を注いでお祝いします。
長谷寺花まつり
アマチャ
7月15日 盂蘭盆会(うらぼんえ)
お盆の日にちは地方によって異なり、都市部は7月、地方は8月で主に13日~15日のことを指します。
この間に先祖が里帰りするといわれていて、精霊棚(しょうりょうだな)を飾って仏膳や供物をお供えします。
先祖が戻ってくる道を「迎え火」で照らし、帰りは「送り火」で道案内をします。
灯篭流し
このお盆は「盂蘭盆経」という仏事に由来します。
先祖の乗り物を牛と馬にたとえ、きゅうりとなすに割りばしで足をつけるなど、数多くの習慣が伝えられています。
7月~8月 夏祭り
夏祭りと言えば、盆踊りですよね。
盆踊りは、鎌倉時代に時宗をひらいた一遍が布教のために行った「踊り念仏」が発展したものだという説があります。
また、盆踊りは「盂蘭盆経」に由来しているともいわれています。
お釈迦さまの弟子である目連尊者の母が、天上界へ登っていくとき、これを見た周りの者が歓喜の声をあげて踊りだしたそうです。
9月20日ころ 秋のお彼岸
お彼岸は、春と秋の2回あります。
もともとお彼岸は、写経や読経などを行う1週間の修業期間のことでした。
江戸時代に庶民化して、寺祭りとか墓参りに姿を変えて普及しました。
お盆と並んで「先祖に手を合わせる仏事」として現在に伝わっています。
春のお彼岸には、春に咲く牡丹(ぼたん)にちなんだ「ぼたもち」、
秋のお彼岸には、秋の萩(はぎ)にちなんだ「おはぎ」を食べます。
小豆の赤が邪気を払うとされ、お彼岸に食べられるようになったと言われています。
おはぎ
12月8日 成道会(じょうどうえ)
お釈迦さまが悟りをひらいた日です。
仏教が始まった日と言ってもいいでしょう。
お釈迦さまは出家してから6年間、苦行をします。
しかし、苦行の先に悟りはないことに気付き山をおります。
そして、呼吸と心を整え1週間の座禅に集中し、12月8日の早朝、東の空に輝く明星を仰ぎ悟りをひらいたのです。
お釈迦さまが悟りをひらいたことに感謝する法要が「成道会」ってことです。
成道会では、「出山釈迦図」(しゅっさんしゃかず)を掛けます。
これは、苦行でやせ細った体、傷んだ衣、おぼつかない足どりをしたお釈迦さまの絵です。
このときはまだ、悟りをひらいていないので、顔には不安と希望と新たな予感めいた表情が見られます。
成道会は、宗派を問わず行われる年中行事です。
12月31日 除夜の鐘
大晦日の夜を「年越し」と言いますが、「除夜」とも言います。
この除夜に寺院でつく鐘が除夜の鐘です。
108つの鐘をつくことで有名ですが、これは一説によると、「四苦八苦」に由来しているといいます。
「四苦八苦」=「4・9・8・9」
「4✕9+8✕9」=108つ
そもそも、除夜の鐘の起源は宋の禅寺にあります。
朝夕の2回、108つの鐘をついていました。
これが鎌倉時代に伝えられ、室町時代になると除夜だけつくようになったそうです。
除夜の鐘は、最初と最後に僧侶の読経などが行われますが、一般的には、前の音が消えてからつくのがマナーです。
「ご〜ん…ご〜ん…」と108つの煩悩を一つ一つ取り除いて、仏さまの心を呼び起こしてくれます。
最近は、除夜の鐘がうるさいと近所の苦情を真に受けて、取りやめる寺院があったようですが、とんでもないことですし、情けない限りです。
除夜の鐘がうるさいと言う人は、まず日本人ではありません。
日本の伝統を壊そうとする特定の外国人が近頃目立ちますが、伝統行事をみんなで守っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます 合掌
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